馬鹿な学校ほど、無駄な宿題を課す


これを執筆しているのはGW真っ直中ですので、今日はGWに関わる話を。

ある時、GW中に高校1年生を指導に行ったところ、なにやら一生懸命問題集を解いていたのです。最初は、いよいよ勉強する気になったのかと喜んだのですが、どうも見ていると一次方程式や立体の体積等、どうみても中学生レベルの問題を解いているのです。聞いてみると、GW中の宿題として学校から出されたとか。

たしかに、その生徒さんの通っている高校はレベルは高くありません。しかし、今さら高校入試の問題を解く暇があったら、数T数Aでつまずく因数分解の練習や、英語の基本的な文法や熟語を覚えることの方が、はるかに重要でしょう。GW中に宿題を出すなとはいいません。こちらの指導の邪魔にはなるのですが、せめて今後につながるものを出してもらわなければ、結局生徒さんの勉強時間は、無駄とは言いませんが、極めて効率の悪いものになってしまうのです。

別の中学校では、大量の副教材を買わせた上に、さらに夏休み・冬休み用の副教材を購入させ、それをやることを宿題として課していました。教科書を理解できないで苦労している生徒さんに、これだけ大量の副教材を解かせたところで、それが学力に結びつかないのは当然です。教科書が理解できていないのに、教科書を理解したことを前提にした教材をやらせても、それは苦痛を与えるだけで無意味なのです。

そのお母様は、「宿題が多くて、子供が夏休みを遊べない」と苦情を言ったのですが、大多数の保護者の方はもっと多くの宿題を出して欲しいと要望していたそうです。

中学・高校の6年間は、他の年代では出来ない多くのことがあり、それは場合によっては成績と引き替えにしてでも経験した方が良いことがたくさんあるものです。その貴重な時間を、ほとんど効果が期待できない親と教師の自己満足のための宿題で潰すのはあまりにもったいなさ過ぎると藤川は思うのです。

結局、その生徒さんがそれらの教材を使いこなせるようになったのは、私が指導して成績が上がった後のことでした。

問題量をこなせば成績が上がるのではなく、いかに正しく理解して良質な問題を解くかが重要なのです。

よく、悪質な家庭教師業者が、使えない高額教材を売り付けていますが、値段が安いだけでやっていることはあまり変わりありません。

こうした傾向が強いのは、偏差値の低い高校や郡部の学校のようです。

教科書と良質な問題集が一冊あれば、中学校の勉強はほとんど用が足りるでしょう。今の生徒さんは特に、説明してあげないと理解できない子が多く、学校はそれに事実上対応できなくなっているように見受けられます。そのため、問題量を課すことで、対応したことにしているのが実情でしょう。

藤川は塾講師をしていたこともありましたが、限界をすぐに感じました。塾講師の限界とは、すなわちそれぞれの習熟度に合わせた授業を行うことが出来ないということであり、結局学校は更に塾が拡大した状態になっているに過ぎないのです。

機能不全を起こしていることを誤魔化すための宿題ならば、結局は無い方が生徒の人生にとって有益なことの方が多いのではないかと藤川は思っています。


top プロフィール プロ家庭教師 料金 mail link 日記 コラム